ソフトバンクがパ・リーグ3連覇を達成した。投打に圧倒したシーズンだったが、OBで日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(56)がV3の大きな要因に挙げたのは12球団NO・1ともいえる「守備力」とスキのない走塁。「ホークスは記憶に残るミスが少なく、他球団は記憶に残るミスが多かった」。さらに投手陣では高卒3年目で2桁勝利を挙げた前田悠伍投手(21)の台頭、野手陣では2年目の庄子雄大内野手(24)の成長も大きな要因に挙げた。
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投打にV3の立役者を挙げればキリがない。開幕時では不安だった先発陣の確立も、3年目の前田悠が大躍進。ローテ6番目の男だった大津がシーズンを通して投げて2桁勝利。さらに左腕松本晴も10勝到達と想像以上の働きを見せ、有終のゴールに導いた。大関やスチュワート、新外国人の徐若熙(シュー・ルオシー)らが不調でも、しっかり若き先発組が結果を残した。自慢のブルペン陣も守護神杉山の自傷行為による離脱はあったものの、復帰後は安定した力を発揮して試合をしっかり締めた。
打線では4番栗原が30発&100打点、さらに開幕に出遅れながら5月中旬の1軍昇格から強打のリードオフマンとして定着した正木が、自己最多を大幅に更新する本塁打を量産。投高打低と言われる近年のプロ野球界でチームは12球団唯一の総得点600点超をたたき出した。ベテラン柳田や近藤をうまくDH起用しながら、コンディション維持を図ったことも大きい。昨年は故障禍に泣かされたチームだったが、主力野手陣に長期離脱はなかった。実績組が安定した力を発揮したことは何よりも大きかったのではないだろうか。チーム状況がまだ手探りだったときに「1番正木」が固定できた。1番打者が決まれば打線は安定してくる。彼が固定されてからはチーム状況は上昇カーブを描いた。
投打の活躍もさることながら、V3の基盤となったのは「守備力」と「走塁力」だ。もちろん、シーズンを通してエラーもある。ただ、ホークスの場合は「記憶に残るエラーが少なく、他チームは記憶に残るエラーが多い」ということだ。守備と走塁に関しては鉄壁だったと言っていい。球際の強さ、中継プレーを含めて先の塁に進めさせない守り…。その一方で、走塁はスキなく常に前の塁への意識が高い。ベテラン柳田さえ、何度となくタッチアップを成功させた。2年目の庄子が前半戦で二塁からのタッチアップを逃したことがあった。その後は失敗がない。盗塁数も増やして失敗をしっかり糧にした。庄子は2年目ながら、ここで何をしなければいけないか、ということをしっかり理解できている。非常に野球脳のすぐれた選手で大きく成長した1人だろう。若手選手にもしっかりと受け継がれている「守備」「走塁」の高い意識は強いホークスの屋台骨といえるだろう。(日刊スポーツ評論家)




