ヤクルトの新人合同自主トレが行われていた埼玉・戸田球場。国指定の難病「黄色靭帯(じんたい)骨化症」からの復活を目指す徳山武陽投手(27)の姿があった。昨年11月に受けた手術は成功。地面に着く左足の感触を確かめながら、ゆっくりと走った。

 徳山 順調に回復していますけど、違和感との戦いです。足の着き方が、何か違うんですよ。ふっと力が抜けたり、真っすぐ着いているつもりが外向きだったりするんです。

 恐怖や不安と戦いながらも、表情は明るかった。1月17日、医師からネットスローの許可が出た。着実に、前へ進んでいる。

 徳山 病院には月1回、術後の経過観察で行っています。MRIで検査したら、へこんでいた脊髄も戻ってきていた。薬も飲んでいません。

 全力でランニングメニューに汗を流す新人たちの隣で、徳山の走るスピードも上がってきた。練習を終えると、ファンから「待ってるぞ」「戻って来いよ」と温かい声援を受けた。

 徳山 年末年始に実家に帰った時、友達と食事の約束をしていたんですけど、両親に「行くな。そんな体じゃない」と止められました。僕は大丈夫なんですけど、みんなに心配をかけてしまいました。

 今春の復帰を目指し、懸命にリハビリに励んでいる。誰もが、マウンドに帰ってくる日を待っている。【ヤクルト担当=鹿野雄太】