じわじわと人気が出始めている。5月後半に突如、登場したロッテの新キャラクター「魚」。試合前にZOZOマリンのビジョンに姿を現し、スタンドのファンと会話して場内を盛り上げている。

 しかし、「魚」って…。一般名詞では? 名前は何なのか。球団担当者に聞いたら「ありません」という、まさかの答えが返ってきた。名無しのキャラクターは恐らくプロ野球史上、いや、キャラクター史上、初めてではないか。そこには、緻密な狙いがあった。「名前などプロフィルは、あえて謎にしています。『謎の魚』です。ファンの皆さんに、いろいろと想像して楽しんでもらえればと思います」。設定を決めていないから、何にでもなれる。この前の阪神戦では、関西弁でファンと会話していた。その関西弁が、また自然で、ビジターファンにも大受け。もしかしたら女性(メス?)にもなるし、英語もしゃべるかもしれない。

 何でもありの魚。先日はテレビの情報番組で紹介され、ツイッターでも「名前は何だ?」と話題になっている。「スイー」(※口癖から)や「さかなくん」等々、思い思いの呼称が飛び交う。「ロッテの新キャラの名前は?」という大喜利まで登場。こんな具合だ。

 「小魚誠」(小坂誠?)

 「魚左往」(右往左往?)

 「魚ーキングデッド」(ウオーキングデッド?)

 「妖怪魚ッチ」(妖怪ウオッチ?)

 「鰯」(さかなへん+弱い…)

 ちなみに、頭からチョウチンアンコウのような突起が出ているが、球団担当者は「雑種です。魚に雑種があるかは、分かりませんが」。

 謎が多い魚だが、球団の“調査”によると、球場に隣接する幕張の海から上陸したことが判明している。そして、進化する。試合前のビジョンに登場するのは第1形態で、まあ、見た目も魚だ。5回裏にグラウンドでパフォーマンスする時は、第2形態に。人間のような足がついている。さらに、11日のヤクルト戦では「想像を絶する形で」(同担当者)、第3形態に進化するらしい。

 今後も、第4、第5と進化を続けていくのか。謎だ。とにかく、ファンに話題を提供していることは確か。場内ビジョンやSNSなど、現代のツールをうまく利用したファンサービスと言える。【ロッテ担当 古川真弥】