14年以来の阪神担当に配属されて約1週間が経過した。甲子園、2軍施設の鳴尾浜と足を運ぶにつれて、プロ野球界の厳しさを再認識した。前回私が担当していた際に在籍していた選手が、少なくなっている。主力の多くは自主トレを本拠地以外の場所で行っているとはいえ、あまりの少なさは違うチームに来たような感覚だった。

 どのくらいの入れ替わっているのか。選手名鑑をめくって調べてみると、14年から阪神に在籍している支配下の日本人選手は29選手しかいない。プロ野球選手の平均寿命は約9年とも言われる。あくまで平均であり、実際には数年で退団するケースも多い。強くなっていく過程のなかではさらに厳しく、入れ替わりの激しい世界だろう。

 ワンチャンスをいかにものにしていくか。ある種の運も味方につけようと、若手選手は汗を流している。たった3年ではなく、もう3年。広島担当時代、4年目だった鈴木誠也がよく「もう4年目です」と言っていたことを思い出した。人生が変わる1年、1カ月、1試合、1球。一挙手一投足を見逃せないと、あらためて感じた。【阪神担当=池本泰尚】