遠征先の練習日によく見る風景だ。ビジター球場で練習を終えた選手たちが当たり前のように、球場内にあるトレーニングルームに直行。体を鍛える。実はこれ、セ・リーグでは、ほぼないらしい。ある球団のトレーナーが「セ・リーグでは相手チームのトレーニングルームを使えないんです」と教えてくれた。

 理由はチームの機密情報を守るため。セ・リーグでは12年に導入されるまで予告先発ではなかった。そんな名残もあって使えないのだとか。17年に阪神からオリックスに移籍した金田は「確かに(阪神時代)遠征中は宿舎近くのジムに行ったりしてました。やっぱり練習の一環としてトレーニング出来る方が絶対にプラスですよね」と話す。

 今月下旬には交流戦が始まる。交流戦でのセ・リーグ球団の分の悪さは、「DH制を採用していないことが要因だ」とよく言われる。投手が打線に入ることで、投手も打者も育たないと。それも一理あるだろうが、先ほどのトレーナーは「トレーニング環境がセとパでは違う」と言う。「なるほどな」とうなずいた。【オリックス担当=桝井聡】