阪神才木浩人投手(19)がスクランブル登板にも動じずプロ2勝目を挙げた。ヤクルト8回戦(神宮)で先発岩貞がわずか7球で危険球退場。1回無死一、二塁でマウンドに上がり、6回3安打7奪三振で無失点と力投しました。阪神担当・真柴健記者が才木の秘話を紹介します。

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 スクランブル登板にも冷静だった才木。突然、大舞台に上がることは実践済みだった。

 須磨翔風3年秋の文化祭。飛び込み参加でいきなり舞台に上がり込み、漫才を披露した。突然のエース登場。もちろん、場内を大爆笑の渦に包み込んだ。「野球を引退していたので、友達と何かおもしろいことをしようってなって。ネタは一から考えましたよ」。思い切りのいい性格に加えて、したたかな準備能力も兼ね備えていた。

 勝負根性、前のめりな姿勢が目を引く。「(高校で)3年連続、学級代表に立候補したことがあります。(挙手は)授業とかもですね」。周囲の友人には「主役になりたいから」と前向きな理由を笑って漏らしたこともある。素直に理由を友人に打ち明けた才木が、神宮の舞台で“主役”になりきった。【阪神担当=真柴健】