<広島10-0ヤクルト>◇26日◇マツダスタジアム

鈴木が広島で新たな4番像を築こうとしている。昨年4月11日。“新井さん”から4番の座を継承した。あまりの重圧に押しつぶされそうになったときもあった。「4番は、3番や5番と違う…」。そんなとき心の支えになったのは先代新井の存在だった。「大変だと思うけど、乗り越えられれば自分の成長につながるし、きっと何かが見えてくるから」と声をかけられた。重責を務めた者だけが知る苦しみを理解してもらうだけで、勇気をもらった。

新井が広島に復帰して4年。その背中を見てきた。「とにかく勝ちたい。自分を犠牲にしてでも1点を取りにいく姿勢を見せてもらった。いつかああいう選手になりたい」。まだベンチで打ち取られた悔しさをあらわにしていた昨季序盤には、プロとしての立ち居振る舞いを指摘された。4番として、プロとして、教えてくれたのは“新井さん”だった。恩返しは日本一になることだけでなく、来季以降4番としての立派な姿を見せることだと思っている。【広島担当=前原淳】