<SMBC日本シリーズ2018:広島5-1ソフトバンク>◇第2戦◇28日◇マツダスタジアム

連続日本一を目指す工藤ホークスにとって敵地・マツダスタジアムでの2戦は厳しいものとなった。日本シリーズ第1戦は延長12回引き分け。そしてこの日の第2戦は攻撃的だったはずの打線が広島先発ジョンソンを攻略することができず完敗した。

バックネット裏の記者席。試合を見守った日刊スポーツ評論家であり、ホークスOBでもある広瀬叔功氏(82)は愛着あるチームの敗戦にあえて苦言を呈した。「ホークスにはもう少し期待しとったんやがな。打席の中での対応力というか、球を見逃す姿にしても『打ってやるぞ』という気迫が感じられん。確かにジョンソンはいい投球をしておったけど、いいから打てないじゃなくて、何とかしようという姿が見えん。こんなチームじゃないはずやろ」。広島が得点を重ねるたびに広瀬氏の言葉にもいらだちがこもってくる。今年、ホークスは球団創設80周年のメモリアルイヤー。球団も年間を通して各種のイベントを展開してきた。広瀬氏は2月の宮崎キャンプに呼ばれ「レジェンド」としてファンクラブ会報誌にも登場した。

シーズンVは逃したとはいえ「日本一」の称号は手にできる。「昔、ずっと南海は日本一になれんかった。でも、初めて(シリーズで)勝ったとき、親分(鶴岡監督)は泣いた。あれは忘れられん」。51年から3連覇もシリーズで巨人に屈し、55年もやられた。そして59年、4連勝でようやく巨人を撃破。5度目の挑戦で日本一になった。そんな悔しさを味わった広瀬氏だけに、辛口のゲキが飛んだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】