<ソフトバンク3-0オリックス>◇25日◇ヤフオクドーム

息詰まる投手戦に劇的サヨナラ弾で工藤ホークスはケリをつけた。ソフトバンク大竹、オリックス山本の快投で両軍とも0行進が続く。3日の同カード(京セラドーム大阪)の再現のような緊迫ゲームで延長戦に突入した。もちろん、両先発投手の投球はすばらしかったが、野球は点取りゲーム。何とかホームベースにこぎ着けた方が勝利をつかむのである。

文字通り「白星」を取り合いは、10回表裏の守備にあったように思う。オリックスは2死一、二塁から1番福田の打球は二遊間を抜けそうなゴロだった。今宮が飛び込んでキャッチすると、そのまま右ひざを軸に回転するように空中スローで二塁封殺した。リプレー検証までなったこのファインプレーで今宮はチームを救った。

直後の10回裏。明石のサヨナラ弾の伏線となった先頭打者デスパイネの打球。二塁ベース寄りに深く守っていた福田の右へ転がった。懸命にスライディングキャッチを試みた福田だが、打球をこぼし内野安打としてしまった。福田もギリギリのプレーだったと思う。「1度はグラブに入ったんですけどボールが出てしまいました」。試合後、福田はまっすぐ前を向いて言った。自らの打球は好捕され、自らはボールをがっちり握ることができなかった。ほんの少しの「球際の強さ」が両チームの明暗を分けたように感じた。平成最後のホークス本拠地試合。ド派手な打ち合いゲームでは感じられない妙味ではあった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】