<日本ハム4-5ソフトバンク>◇29日◇札幌ドーム

ソフトバンクが敵地・札幌で連勝を飾った。上林の逆転ランニングホームランでクロスゲームにケリをつけたが、1点を追う7回の攻撃と守りは印象深いものがあった。

7回表。先頭上林が右前打で出塁。続く8番甲斐に送りバントはなく二飛に終わる。続く9番高田は一ゴロ併殺打に倒れた。しかし、5回に高田は同点となる2点タイムリー中前打を放っていた。「前に飛ばせば何とかなると思っていました。うれしい気持ちとホッとした気持ちですね」。高田にとって9日の広島戦(マツダスタジアム)以来、3週間ぶりの快打だった。高田は今宮が左太もも裏痛で戦列離脱してから先発で遊撃を守る。V奪回を目指すチームにあっては「攻守」での活躍が求められる。久々のヒットは安堵の一打でもあっただろう。

7回裏には守備で「明暗」があった。1死二塁の場面で西川のゴロをエラーし一、三塁としてしまった。「(西川は)足も速いし、確かに(捕球まで)迷いがあった。前に出るか、待つか迷いました」。続く大田に一打出れば、試合が決まっていたかもしれない。だが、大田の打球は二塁ベース寄りへの強烈なゴロ。高田はうまく処理し併殺打に取った。

「ショートは守りの要。プロに入ってさらに難しさを感じています。だから(今宮)健太はスゴイなと」。12球団でもNO・1といわれる男の不在を埋めつつ、高田自身も「控え」に甘んじるわけにもいかない。「1試合でも多く試合に出たい。より強い気持ちを持ってチームを引っ張るくらいの覚悟でやりたい」。無口な男にしては珍しく言葉に力を込めた。

「センターラインの固定」は必勝の条件。高田が貪欲な姿勢を持続できればチームのV軌道も安定する。【ソフトバンク担当 佐竹英治】