<オープン戦:ソフトバンク10-5広島>◇13日◇ペイペイドーム

世の中が不気味な病原体に震えている。プロ野球界は「開幕」の日もはっきりと見えないままだ。スポーツ界のみならず、あらゆるところに影響が出ている。経済に目を向ければこの日、株価が大下落した。日本では30年ぶりという大幅ダウンだった。

暗い数字ばかりを追っていてはいけない。ホークスでは「期待株」が生き残りへ向け、結果を出した。育成ながらキャンプからA組入りしたリチャードが途中出場で2本の二塁打を放って気を吐いた。7回に巡ってきた1打席目。無死一、二塁から変化球をうまく拾って左翼へ適時二塁打。「高めに目つけをしていたけど、うまくスライダーにバットが出た」。気をよくした背番号「127」は続く8回にも2死一塁から142キロの外角球を右中間に運んだ。2安打2打点。無安打に終わった教育リーグの2軍戦からドームに駆けつけ「昼夜兼行」の1軍戦で快音を響かせた。「最近は打ててなかったので1軍で打ててよかった」と笑顔を見せた。

4年目の「成長株」も躍動した。2番手で2回を投げた左腕・古谷はきっちり打者6人で無失点投球。最速154キロの直球にこの日はスライダーを効果的に使って前半5得点の広島打線の流れを切った。「僕はすべてが試される立場。すべてにおいて結果を出さないといけないので」。オープニングデーが先延ばしとなっても「猶予期間」とは考えていない。

グラウンドでは熱い熱いバトルが続いている。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対広島 2番手で登板する古谷(撮影・栗木一考)
ソフトバンク対広島 2番手で登板する古谷(撮影・栗木一考)