プロ野球が「6・19開幕」に向けて、大きく動き始めた。25日にも首都圏と北海道の緊急事態宣言が解除されると、一気にGOサインが出されるようだ。

新型コロナウイルスが完全消滅したわけではない。開幕に向けて、あらゆる予防策を取りつつ慎重に段階を踏んで行ってもらいたい。待ちに待った「球音」が戻るのはうれしい限りだが「野球で全国を勇気づけたい」と願っても、逆に沈静化しつつあるコロナ禍を再び呼び起こすことになってしまっては、元も子もない。「万全」ということは難しかろうが、慎重の上にも慎重を期してのプレーボールとなってほしい。

3年ぶりのリーグV奪回、そして日本一4連覇を狙うソフトバンクも、23日から実戦形式のシート打撃など本格的なチーム練習が始まった。6月2日からは大阪遠征に出てオリックス、阪神との6連戦の練習試合に臨む予定だ。この日のシート打撃では、新助っ人バレンティンが石川から本拠地ペイペイドームの左中間スタンドに豪快なアーチを放った。新助っ人の順調な調整にほっとする一方で、キューバに帰国しているグラシアル、デスパイネの2人は「6・19開幕」に間に合いそうもない。5月いっぱいまでキューバ出国がかなわず、6月上旬に再来日できたとしても、チーム合流は大幅に遅れる見込みだ。首脳陣も、2人のキューバ砲抜きでの戦力編成で開幕に臨む考えのようだ。

どの球団もそうだろうが、急ピッチでチームを仕上げなくてはならない。コロナ感染防止もさることながらケガも禁物。調整も慎重に進めてもらいたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】