14年8月、437日ぶりにメジャー登板し1回を無安打無失点に抑えたカブス藤川球児(撮影・菅敏=2014年8月6日)
14年8月、437日ぶりにメジャー登板し1回を無安打無失点に抑えたカブス藤川球児(撮影・菅敏=2014年8月6日)

阪神藤川球児投手(40)が今季限りで現役引退することが31日、明らかになった。阪神球団が同日、発表した。

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藤川との接点は、さほど多くはない。ただ、13年にカブス入りした後、キャンプ地メサで初めて名刺を渡した直後から「球児君」と呼び掛けても、律義に丁寧に答えてくれる姿勢に、土佐の“いごっそう”というだけでなく、男くさい、昭和の匂いを感じた。

米国での3年間は、故障との闘いだった。4月1日の開幕デビュー戦で初セーブを挙げたものの、その後は本来の球威が復活せず、リハビリ生活が続いた。ただ、藤川は常に前向きだった。図らずも、同じ昭和55年生まれで、メジャーに移籍した盟友のレッドソックス松坂、オリオールズ和田(いずれも当時)、そして藤川も、結果的に渡米後、トミー・ジョン手術を受けることになった。「僕らの世代は、それだけ投げてきたということでしょう」。そこには、酷使された恨みも、悔いもない。むしろ、常にトップレベルで投げ続けてきたことが、誇らしげでもあるかのようだった。

バレルゾーンが重視され、アッパースイング全盛となった現在のメジャー。打者の手元でホップするような藤川最盛期の「火の玉ストレート」は、おそらくバットにかすりもしなかったに違いない。【MLB担当=四竈衛】

マウンドで笑顔を見せる藤川球児(撮影・菅敏=2014年8月6日)
マウンドで笑顔を見せる藤川球児(撮影・菅敏=2014年8月6日)