西武担当として3度目の春季キャンプは、ずいぶん様変わりした。感染対策の一環で、スタンドは無観客。取材はすべてオンラインで行われた。リモートによる取材形式が常態化された今、やはり対面しているときに比べ、近くにいても気持ちの部分では遠く感じる。一方で、遠くにいてもスマホやパソコンがあれば、近くにいるかのように、顔と顔を向かい合わせて取材ができる。

実際に宮崎・南郷から、B班(2軍)キャンプ地の高知・春野にいるドラフト1位、渡部健人内野手(22=桐蔭横浜大)とつないでもらった。画面いっぱいに広がったドラ1ルーキーの顔から、喜怒哀楽を読み取りながらの取材。約30分の取材で、彼の本心にどこまで迫れたかは分からない。でも、いつでもどこでも取材ができる便利さや手軽さは、当たり前になろうとしている。

南郷滞在中に、宮崎、沖縄に散らばる各担当記者とのリモート・ミーティングも開催された。巨人担当の新人・小早川記者のたくましさに刺激を受けたり、広島担当・古財記者の一発芸に笑ったり、マイナス面だけじゃない。キャンプの楽しみの1つである食事は制限され、テークアウト弁当を毎晩食べる孤独な記者メシは、孤独感半端ないけど、意外と慣れるもの。辻監督が言う「今は耐えるところ。ファンのみなさんをスタンドに迎えて開幕を迎えることが1番。体に注意してやっていくしかない」という言葉を胸に、withコロナの新様式に対応しながら、最善を尽くして無事に開幕を迎えられるよう備えたい。【西武担当=栗田成芳】

西武辻発彦監督(2021年2月3日撮影)
西武辻発彦監督(2021年2月3日撮影)