<オープン戦:日本ハム1-4巨人>◇7日◇札幌ドーム

巨人の「メガゴジラ」が本家「ゴジラ」にも並んだ。球界最長身2メートルのドラフト5位、秋広優人内野手(18=二松学舎大付)が、7日の日本ハム戦(札幌ドーム)で2安打を放った。巨人高卒新人のオープン戦マルチ安打は、1993年(平5)松井秀喜以来28年ぶり。6日には07年坂本以来となる球団高卒新人のオープン戦安打を記録しており、2日連続で大先輩に肩を並べた。次のターゲットは開幕スタメン。59年王貞治以来となる抜てきも見えてきた。

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秋広は二松学舎大付時代、通算23本塁打を放ち、投手としても最速144キロを記録。二刀流で名を上げた。

高校最後の東東京の独自大会では、5試合中4試合に先発し投手の軸を担ったが、背負った背番号は「3」。同校野球部の市原勝人監督(55)は、プロに行くなら「絶対野手」と見抜いていた。「お前は野手なんだぞ」という意識でプレーさせた。見立て通り、映像を見た原監督は野手としての指名を即決した。

底知れぬポテンシャルを示すため、投手を任せた。身長2メートルの好素材にスカウトも集まったが、口をそろえて出るのは「動けるんですか?」という半信半疑の声。市原監督はその言葉に耳を貸さなかった。「ドラフトで指名されるためには『たくさんの魅力がこの子にはあるよ』と示したかった。『ピッチャーでもこれくらい放れます。野手でもこれくらいやれます』と」。エンゼルス大谷が二刀流で躍動した札幌ドームで、ファンの心をつかんだ。【久永壮真】

日本ハム対巨人 2回表巨人2死一、二塁、左前打を放つ秋広(撮影・黒川智章)
日本ハム対巨人 2回表巨人2死一、二塁、左前打を放つ秋広(撮影・黒川智章)