<阪神7-1巨人>◇7日◇甲子園

球団史に残るプロ初勝利だ。阪神ドラフト2位の伊藤将司投手(24)が巨人戦(甲子園)で7回1失点でセ界のルーキーで初勝利一番乗り。これがプロ2戦目。「伝統の一戦」に初登板して初勝利は阪神の新人で初めてという快挙となった。

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コロナ禍の中で伊藤将は希望の光だった。JR東日本施設部工事課の同僚、山本太郎さん(30)は振り返る。「課からドラフトで指名される選手が出る喜びや驚きは、コロナ禍を明るくさせる話題となりました」。昨秋、JR東日本のドラフト会見場にあったのは色鮮やかな大漁旗。明るく社内でも人気者だった左腕。コロナ禍で応援できない大会もあり、観客席に掲げてもらおうと同僚全員が気持ちを込めて送ったものだ。

大漁旗を選んだのは、マウンドから見つけてもらえるように。勢いのあるカジキマグロの絵と「三振大漁」の文字は伊藤将の投球をイメージ。デザインやレイアウトを複数用意して、課の全員でアンケートを取って決めた。山本さんは伊藤将からもらったサインボールを大切に持つ。「サインの価値が出るように頑張ります」の言葉に決意を感じた。「猛虎魂の片隅にJR魂も忘れずにプロの世界でも活躍してください!」と全員の思いを代弁した山本さん。これからも温かい応援団がついている。【磯綾乃】