懐かしい並びだなあ、と思いながらソフトバンクのエキシビションマッチを見ている。高橋礼投手(25)、周東佑京内野手(25)、甲斐野央投手(24)の3人が久々に、1軍でそろってプレーしている。

3人は甲斐野がルーキーだった19年に大ブレーク。高橋礼は先発ローテーションの軸として12勝を挙げ新人王。甲斐野はセットアッパーとして、新人ながら65試合に投げた。育成から支配下登録された周東は代走の切り札として、終盤戦で走りまくった。3人の活躍もあってチームは日本一。さらに、同年のプレミア12で稲葉ジャパンに3人とも選出され、世界一にも貢献した。

そのオフ、3人はイベントやテレビ出演に引っ張りだこ。我々もソフトバンクの新しい顔として、何度も取材させてもらった。印象深いのは同年のハワイV旅行だ。あらためて当時の写真フォルダを眺めてみると、3人の写真がやたらと多かった。それだけ、19年の象徴的な存在だった。

甲斐野は20年春季キャンプ中に右肘を故障し、それ以降1軍登板はなし。今年は高橋礼が開幕ローテーション入りするも、不調で2軍に落ちた。周東は6月に右手指を骨折し、リハビリ組に回った。ついに誰もいなくなった。

前半戦最後の試合だった7月14日楽天戦で、高橋礼と甲斐野が1軍昇格した。甲斐野が同27日のエキシビションマッチ、DeNA戦でマウンドに上がり「久しぶりの1軍の舞台での登板で、少しフワフワした感覚はありましたが、楽しんで投げることができました」と大きな1歩を踏み出せば、周東もリハビリを終え、同30日ヤクルト戦から合流。2年ぶりに3人が並び立った。

まだ1軍生き残りをかけたアピール合戦は続くが、トリオ復活での後半戦逆転Vに期待している。【ソフトバンク担当=山本大地】