ソフトバンクになかなか「負の出口」が見えない。初回にいきなり1点を先制した。幸先良くゲームを支配するかと思ったが、その後のホームが遠かった。5回からは毎回走者を得点圏に置いた。5度の好機を潰し、今季19度目の引き分けとなった。

9回2死二塁。川島の左前打で二塁走者の釜元が一気にホームを突いたが憤死。三塁側ベンチでガッツポーズしたロッテ井口監督の笑顔が象徴的だった。黒星のつかない「ドロー」だが、残り試合も少なくなった今、白星以外にチーム浮上の要素はない。足踏みは後退なのだ。

追う立場は積極性を求められると同時に「焦り」も生む。終盤に3度の走塁失敗はまさにそれを証明していた。何ともフラストレーションのたまる試合となってしまった。西武、日本ハムの下位2球団に1勝3敗1分け。必勝を誓ったはずのロッテ3連戦は1勝も手にすることができずに2敗1分け。首位快走のロッテとは8・5ゲーム差で再びロードに出ることになった。

逆転Vの合言葉も、むなしい響きとなってきた。残り29試合、「あきらめない気持ち」は大切なのだが、どうもチームの一体感が感じられないのはどうしたことだろうか…。エース千賀で初戦(14日)を落とした試合後、工藤監督はナインを集めてミーティングで言ったという。「これからは短期決戦のつもりで行くぞ」-。士気を高めた監督の言葉とは裏腹、まだまだ好転の兆しは見えて来ない。厳しい「秋の陣」となった。【ソフトバンク担当=佐竹英治】

ソフトバンク対ロッテ 7回裏ソフトバンク2死一、三塁、打者・柳田悠岐のとき三塁走者の甲斐拓哉が本塁へ走るが惜しくもアウト(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対ロッテ 7回裏ソフトバンク2死一、三塁、打者・柳田悠岐のとき三塁走者の甲斐拓哉が本塁へ走るが惜しくもアウト(撮影・梅根麻紀)