ふわっと浮いた飛球に、サブマリンは見とれていた。オリックス中川颯投手(23)は、1日ロッテ戦(京セラドーム大阪)の6回に救援登板。先頭の高部が放った打球を追い、中堅方向に目線をやった。

「2人で…結構エモくない? って話しましたね」

センターにはドラフト4位の渡部遼人外野手(22=慶大)が守っていた。2人は桐光学園の先輩後輩で、中川颯が1学年上。「高校のときからハルトの守備は信頼しています。あそこに飛んだら大丈夫だ!という安心感はありますね」。丸刈り頭だった5年前に描いた青写真は、現実になっている。

1学年違うが「高校のときから仲良かったですね。一番よくしゃべってましたね」と中川颯。自身は20年ドラフト4位でオリックスへ入団。その1年後…。後輩の渡部が同じドラフト4位で入団してきた。「ドラフトのとき、うれしくて泣きそうになりましたよね。まさか同じチームとは…という感じ。でも、なぜか、そうなる気がしていましたよ(笑い)」。運命を呼び込んだ。

桐光学園を卒業すると、中川颯は立大、後輩の渡部は慶大に進学。「ハルトは慶応に行って、ちょっと斜め上から来るようになりましたね(笑い)。高校のときの方がリスペクトしてくれてた感じがします」と、中川颯は笑う。

ともに開幕1軍入りを狙う立場にいる。今度は公式戦でのアベック出場に期待がかかる。中川颯は、ニヤリと言う。「僕はハルトの弱点を知ってますよ。絶対、言わないですけどね」。2人の話し方や雰囲気…。重ね合わせてみれば、似ている気がする。【オリックス担当=真柴健】

12日、紅白戦で4安打を放ったオリックス渡部
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