楽天石井一久GM兼監督(48)が、常勝軍団への礎を築いている。

今季これまで13勝6敗でリーグ首位。優勝を目指しながら、長期的な選手育成にも力を入れる。「今シーズンは今シーズンでしっかりなんとか選手みんなで。今支配下は69人ですけど、その中で頑張っていければいいなと思いますけど、来年再来年とどんどん続いていく。そこはちゃんと選手を作っていかないといけないなと思います」と話す。

未来志向の采配を見せる。2軍で好調だった岩見を1軍に昇格させると、24日西武戦で先発起用。岩見は2安打で期待に応えた。選手にとっては、アピールをすれば機会を与えてくれる環境を整えている。

一方で、あえて2軍で経験を積ませることもある。1軍で3試合しか登板のなかった藤平や、途中出場が主だった武藤をファームに送った。「藤平も一生懸命投げて、ある程度いいボールも投げられる状況にあるんですけど、常に藤平に任せたりという状況を作るには、もう少しファームで頻繁に試合で投げていかないと。1軍にいても藤平にとっても大きく飛躍できないし、そこはファームで試合数を重ねて、上でも試合数重ねられる状況の調整はしてほしい」とエールを送る。

1軍で控えでいるより、2軍で主力として試合に出る方が選手にとってはいいときもある。どうすれば選手が成長できるか。常に考えながら、1軍で指揮を執る。若手に求めるのは、競争する土俵に自力で上がってくること。我慢して使いたいと思えるような武器を磨き、台頭することを望んだ。

優勝に向けて進みながらの育成。「レギュラーを脅かす人が出てくるかこないかというところ。武藤も結構いいし、黒川も3割ぐらいキープしている。下からの突き上げはできつつある」とうなずく。1軍の選手たちは若手に対して高い壁であり続け、若手はそれを越えようと食らいつく。チーム内での激しい競争に期待した。

これもGM兼監督の立場からの考え。「やっぱりこのチームに身を置いている責任。僕はどれだけやるか分からないですけど、チームは続いていく。常勝チームにしていくということは、僕がここに来てからのメインテーマなので」。犬鷲が将来も力強く羽ばたくことを、誰よりも願っている。【楽天担当 湯本勝大】