中日根尾昂外野手(22)が8日にプロ入り初登板した。

ウエスタン・リーグ阪神戦(甲子園)に「2番・遊撃」でスタメン出場し、9回に森に代わって5番手でマウンドへ。大阪桐蔭時代と同じ最速150キロをマーク。打者5人と対戦し、2/3回2安打1失点で投手記録を刻んだ。

「もう、最高ですよね。シンプルにうれしかったです。懐かしかったですし、ファンの人も入ってたんで。うれしかったです」。甲子園登板は二刀流で春夏甲子園連覇した18年8月18日の準々決勝・浦和学院戦以来、1359日ぶり。4年ぶりの聖地マウンドを堪能した。

高校球界での二刀流選手はプロ野球では基本的に二者択一してきた。日本ハム、エンゼルスと二刀流を継続する大谷は別格。立浪監督も「二刀流は投手としても打者としても良くて、ですからね。中途半端にならないようにやっていきたい」と、根尾の二刀流には否定的だ。

今年から球界は9回制から延長12回制に戻った。4月2日の広島戦で根尾はブルペンで投球練習を行ったが、投手のアクシデント降板に備えたものだった。首脳陣にとっては、根尾のようにブルペンでスタンバイできる二刀流の存在は大きくなる。中日の野手には石川昂、岡林も高校時代に投手としても高い能力を発揮している。

また中日投手陣は、落合ヘッド兼投手コーチの発案で春季キャンプから打撃、走塁コーチら本職の指導の指導を受けさせてきた。9日の投手指名練習でのバント練習には森野打撃コーチが立ち会った。中日投手陣の打撃成績は打率1割8分(9日現在)。セ・リーグ1位で9番目の野手として存在感を見せている。

二刀流まではいかなくても、投手も野手も投げて、打って、走る。中日が作り上げるスタイルが、リーグを盛り上げるかもしれない。【中日担当 伊東大介】

8日のウエスタン・リーグ阪神戦 9回裏1死一塁、中川に左前打を打たれて渋い表情の根尾
8日のウエスタン・リーグ阪神戦 9回裏1死一塁、中川に左前打を打たれて渋い表情の根尾
8日のウエスタン・リーグ阪神戦 9回裏1死二、三塁、マウンドで山井コーチ(左)と話す根尾
8日のウエスタン・リーグ阪神戦 9回裏1死二、三塁、マウンドで山井コーチ(左)と話す根尾
8日のウエスタン・リーグ阪神戦 9回裏1死二、三塁で石森に投手交代となり、遊撃のポジションに戻る根尾
8日のウエスタン・リーグ阪神戦 9回裏1死二、三塁で石森に投手交代となり、遊撃のポジションに戻る根尾