<日本生命セ・パ交流戦:中日4-2ソフトバンク>◇4日◇バンテリンドーム

白星は敷かれたレールからこぼれ落ちた。ソフトバンクが中日に逆転負け。1点リードの7回、必勝継投の7回の男、津森が2点を奪われてひっくり返されると、8回にも1点を失って逃げ切りに失敗。チーム今季10度目の逆転負けとなってしまった。

何とも悔しい敗戦に違いないが、100%の完全リリーフを求めるのも酷な話で、むしろ6回まで最少失点で粘り抜いた若きバッテリーの頑張りに視線を向けたい。5月28日の広島戦(ペイペイドーム)でプロ初の先発マスクをかぶった渡辺と、先発マウンドに上がった左腕大関の「育成出身コンビ」だ。

中日対ソフトバンク 力投するソフトバンク先発の大関(撮影・森本幸一)
中日対ソフトバンク 力投するソフトバンク先発の大関(撮影・森本幸一)

1週間後に“中6日”で2度目のコンビを組んだこの日も、初回のソロ本塁打の1失点のみで6回までスコアボードに0を並べた。2回1死満塁のピンチを三ゴロ併殺打に仕留めると、大関は3回以降はノーヒット投球。「調子は良かったです。中盤以降は気持ちを込めて、自分らしい投球ができたと思います。早い回に失点してしまう試合が続いているので反省しないと」。5勝目は逃したが、3年目のサウスポーは手応えを感じ取った。

中日対ソフトバンク 5回表ソフトバンク無死三塁、右越え適時二塁打を放つ渡辺陸(撮影・森本幸一)
中日対ソフトバンク 5回表ソフトバンク無死三塁、右越え適時二塁打を放つ渡辺陸(撮影・森本幸一)

初マスクで2発デビューを飾った渡辺はこの日も大関を好リード。自慢の打撃でも5回には右翼線へ適時二塁打を放った。自らのバットで勝ち越しに成功。「(三塁打の)周東さんがチャンスを作ってくれたので、絶対に自分がかえそうという気持ちでした」。役割を十分に果たした。藤本監督は育成コンビの若きバッテリーを「まだまだ成長段階」と評したが、信頼度は高まりつつある。敗戦の中でも大きな収穫だった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】