阪神が来季から2軍の春季キャンプ地を高知・安芸市から沖縄・うるま市に変更すると21日に発表した。メイン球場となる具志川野球場に、記者はソフトバンク担当だった18年1月に取材で訪れている。東浜投手の自主トレだったが、小高いところにあり、球場の外からは青く澄んだ海が見えた。

ちょうどテレビ収録をしていたボクシング元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高氏が東浜の姿を見つけ、激励。華やかな雰囲気となった。具志堅氏が81年3月に地元沖縄凱旋(がいせん)試合として14度目の防衛戦で敗れ引退したのが同じ施設内の具志川体育館だった。

2人の笑顔での握手を写したが、靴に泥が入ってきた。グラウンドは前日の雨の影響で、ファウルゾーンはぐちゃぐちゃな状態。練習前と練習後に東浜たちがグラウンド整備を頑張っていたことを思い出した。記者が取材にいったのは4年前。昨年、今年と楽天の2軍が春季キャンプを行っているだけに、改善もすすんでいるだろう。

さらに阪神の百北幸司球団社長(61)が「今月中に阪神園芸さんにもグラウンドを見に行ってもらって、我々の手で整備をしたり。できるところの投資は進めたい」と話すように、神整備を誇る職人たちの手が入る。2月の沖縄は雨が多いだけに、どんな水はけのよいグラウンドになるか今から楽しみだ。室内練習場や体育館、サブグラウンドなども充実し、使い勝手もよさそうだ。

阪神担当となったこの2年間、新型コロナウイルスの影響もあり、キャンプ中は沖縄・宜野座と高知・安芸との選手の入れ替えはなかった。ソフトバンクは宮崎・生目の杜で1、2軍が同じ敷地でやっていたので、紅白戦だけ2軍から選手が来たり、その逆もあった。阪神も来年から1軍と2軍のキャンプ地の距離が約30キロと近くなる。2月からチーム全体の競争激化はプラスになるはずだ。

東浜少年は当時の横浜(現DeNA)の宜野湾キャンプへ行き、プロのブルペン投球など間近で見て、よりプロ野球選手に憧れたと話していた。今度は若虎たちが、うるま市やその周辺の野球少年たちの憧れとなるだろう。【阪神担当 石橋隆雄】