バックネット裏から見ると、よく分かる。西武のセカンドを守る外崎修汰内野手(29)の貢献度が。

守備範囲の広さ、球際の強さが際立つ。状況によって、場所を微妙に変える。外野へ抜けそうと思った打球が抜けず、捕ってからも速い。逆に、それに見慣れると、攻撃時は二塁ゴロかと思った打球が抜けていく。そんな場面は数知れない。

チーム失策数68は12球団で最も多い。しかし、ショートの源田も含め二遊間は堅守で、失策数だけでは表せない守備の堅さがある。首位を走る西武は投手力の充実度が注目されるが、同時にバックの力の高さも見逃せない。

外崎は不調だったバットも調子上向きの気配を見せている。打率は2割2分6厘。まだ数字は物足りない。しかし、後半戦から1番に固定され、輝きを取り戻しつつある。後半戦11試合で第1打席に6度出塁。先頭打者として攻撃にリズムをもたらす。また下位打線が作ったチャンスを得点につなげる役割も担う。足でかき回す場面も目立つ。1番打者では打率2割8分1厘、本塁打2。しっくりはまり、結果を残し続けている。

どっちに転ぶか分からない展開の試合を多く勝利してきた西武。その中で外崎の貢献は数字以上のものがある。4時間49分の末に引き分けだった10日日本ハム戦も効いていた。10回裏2死二塁のサヨナラ負けの危機で二遊間の深い打球を抜けさせなかった。本塁を狙った走者を落ち着いた送球で刺した。辻監督が「いや~負けなくてよかった」と安堵(あんど)した試合。勝ちきることはできなかったが、負けなかった意味は大きかった。【西武担当 上田悠太】