中日石川昂弥内野手(21)が15日、ナゴヤ球場室内練習場で立浪監督から直接指導を受けた。椅子に座ったままのティー打撃。指揮官はタオルを利用したり、自ら手本を見せたり、手取り足取り個別指導を熱心に続けた。

「シーズン中からずっと言われていた。バットが体から離れてしまう(クセがある)。いまは座ってティー打撃しかできないけど、いい練習になるので、やり方の確認を継続してやるようにと言われました」。ナゴヤ球場での秋季練習とは別のリハビリ組ながら、指揮官自らの直接指導を素直に喜んだ。

石川昂は、立浪監督が就任した昨秋のキャンプから強化指定選手に指名。開幕戦から「7番三塁」などでスタメンで起用されてきた。6月27日オリックス戦(京セラドーム)での三ゴロで、一塁手との接触を避けた際に左膝を負傷。7月1日に左膝前十字靱帯(じんたい)再建手術を受けシーズンを棒に振った。開幕から37試合、初アーチを含む5本塁打、19打点、打率2割2分5厘。5月6日阪神戦(バンテリンドーム)では、初のサヨナラ打も放っていただけに、本人も想定外のリハビリ生活を送っている。

今季、ヤクルト村上が日本では18年ぶりに3冠王に輝いた。入団以来掲げてきた目標だった。「そうなんですよね。でも、まあなんか、あっ(3冠王が)出た、みたいな感じ」。テレビの画面越しに見た快挙を受け入れた。「(村上さんは)よく打つので、なんで打てるのか考えていた。やっぱり軸がぶれないので、そう(打撃の基本)なのかなと。本当にすごいな」。バットを振れない中でも、2学年上の先輩スラッガーの打撃から学んだ。

今季からともにスタメン起用された同期同学年の岡林がブレーク。リハビリは続くが、来年4月前後の実戦復帰、シーズン途中の1軍合流を見据える。「岡林もあれだけ結果を残した。自分もがんばらないと。来年は岡林をたくさん(ホームに)かえせるようにがんばりたい」。ドラフトウイークのまっただ中で、現在地を踏まえた大砲候補生は、リベンジを誓った。【中日担当 伊東大介】