“移籍組”だから感じるものが、それぞれある。

例えば、この秋トレードで日本ハムから阪神に移籍してきた高浜祐仁内野手(26)。

この時期の練習を比較すると「日本ハムは自主性を重視されていた」という。「特打でも阪神が20分のところ、ハムは10分だった。その分、自分の練習の時間に体力、振る力を残しておくような…」。自主的に練習をすることで力を伸ばす方針だった。

一方の阪神は早出練習から、全体練習後の個別練習までみっちりメニューで組まれ、管理されている。高浜は「どちらが良いとか、悪いとかはない」とした上で「全体的な練習量は(阪神の方が)多い」と素直に明かした。

確かにこの秋季キャンプは、早い選手で午前8時半や午前9時ごろから始動し、引き揚げが午後6時を回ることも珍しくない。メニュー消化後の高浜を取材したある日も、周囲はすっかり暗くなっていた。

それぞれに課題があり、こなすべき練習がある。とりわけ秋季キャンプはその意味合いが強い。

かくいう私も、11月から阪神担当に“移籍”してきた身分。前担当チームの広島と阪神とでは、報道陣の人数も違えば、扱う量も違う。ただ、高浜の言葉を借りれば「どちらが良いとか悪いとかはない」。

球団が違えば、色も違う。選手1人1人に個性があるように、当然チームそれぞれにも特色がある。ただ、共通するのは1つ。ファンが求めている情報には、原稿を通して応えていきたい。【阪神担当 前山慎治】