“背”番号は選手の“顔”となる。

5日、阪神青柳晃洋投手(28)の背番号が23年から「17」に変更されると、阪神から発表された。青柳自身もかなり悩んだようだった。

さかのぼること3週間。11月17日、青柳は本の寄贈のため、横浜市鶴見区内の小学校を訪れていた。一連の活動を終え、取材対応時に「きのう(16日)球団から話を頂いた」と、17番変更の打診があったことを明かした。そのときは「本当に悩んでいる」と、揺れていた。周りの記者に「(17番)似合うと思いますか?」と問うほどだった。そのときは「本当に五分五分で。まだなんにも決めてないので」と保留していた。

そして球団から変更が発表されるまでの3週間。旧背番号17の岩貞にも「悩んでいる」と相談した。左腕の回答は1つ。「いや、つけろや」。家族の意見も聞くと話していた青柳が総合的に導いた決断は「17」への変更だった。

15年ドラフト5位で阪神に入団した青柳。球界の通例として下位指名の選手に若い番号が与えられることは少ない。青柳が50番だったように。

ただ、今の実績を見れば17番を背負うことになんら疑問は浮かばない。背番号を付け替え、いわば第2章のプロ野球人生が始まる。「50番と言えば青柳」と言う人がいれば、これから、「17番と言えば青柳」と言う人も出てくるだろう。当然どちらも青柳であり、どちらの番号も彼の野球人生においては重要な数字である。今回の変更は単に数字が変わっただけでない。新たな顔を背負って、また来季、腕を振ることになる。【阪神担当 前山慎治】