今季復活を遂げた阪神才木浩人投手(24)に登場曲の選曲理由をシーズン中、聞いてみた。「ぱっと聞いて、すごくいい曲だなと自分の中で感じました。リズムも歌声も好きで、頑張れるなあって、いつも思っています」。

右腕がチョイスしたのは緑黄色社会の「始まりの歌」。同グループは男女4人組バンドで「リョクシャカ」の愛称で親しまれている。年末には、紅白歌合戦に初出場し「Mela!」を歌唱する。「始まりの歌」は17年にリリースしたミニアルバムの収録曲。キャパシティーを超えようと挑戦する自分の背中を押す歌詞がリアルに描かれている。

才木はこれまでトレーニング中や部屋で過ごす時、この曲を聞きながら元気をもらっていた。「この曲を聞くとすごくテンションが上がる。だけど、聞くと試合を想像して緊張するから、車で何もない時に聞くと条件反射みたいに緊張しちゃいます」と笑顔で説明した。

20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、育成契約を経て今季支配下登録。7月3日の中日戦(バンテリンドーム)で今季初登板初勝利した。スイッチオンとなる登場曲が流れる本拠地での成績は、今季5試合で2勝負けなし。集中力を発揮し、防御率も1・04の好成績を残した。

今オフは股関節周りのトレーニングや、食事面などでも細部にこだわっている。シーズンで見えた課題克服のため、トレーニング強化に励み、来季の目標として開幕ローテ入りを明言している。私たちも何げなく聞いている音楽。そこには元気やポジティブな要素を与えてくれる力があると改めて感じた。【阪神担当 三宅ひとみ】

タイガースカラーのタオルをたたむ阪神才木(2022年9月15日撮影)
タイガースカラーのタオルをたたむ阪神才木(2022年9月15日撮影)