中日のドラフト6位・田中幹也内野手(22=亜大)が3日、沖縄・北谷の1軍キャンプで初のシートノックで二塁守備についた。連係プレーも軽やかにこなし、ショートバウンドの送球も無難に捕球。ノーミスで初舞台を終えた。

「チームメートの誰にも負けないという気持ちでやっています。同期はやっぱり意識します。福永さんも含めて、捕手の山浅を含めて全員に負けたくない。本当にライバルとしてしか見てない。勝てるようにやっています」。守備では同期同学年のドラフト2位・村松開人内野手(21=明大)も二塁に入っていた。交互に行うプレーに、緊張感以上に1球1球、スキを見せずに飛びついた。

その日はランチ時間を利用して、隣接のソフトボール場で、龍空とともに遊撃位置につき、荒木1軍内野守備走塁コーチから、捕球時の足の運び方を学び続けていた。「僕の一番の売りはスピード。でも(捕球時に打球と)衝突してしまうと、弱点になってしまう。スピードを生かしながら(の捕球)は、まだできていない。ゼロから荒木さんに教えていただいて、マスターしたい」。同じ背番号「2」を背負った名手の技を懸命にインプットする。

立浪監督は「(田中は)小さいし目につく。球を取るポジションとか足の動きとか、脚力があるから動けて、球まで入っていける。捕球する体勢とかが安定すればもっとうまくなる。田中はショートもできるので二塁、遊撃でと考えている」と、ユーティリティー内野手への成長を期待する。 50メートル5秒9の快足即戦力内野手は、大学時代に患った国指定の難病「潰瘍性大腸炎」も乗り越え、プロの称号を手にしたばかり。「アマチュアとは違って、個人の力がないと、試合にも出られない。チームのことを考えるより、自分がうまくなることを考えることが1番だと思う」。ギラギラしたプロらしい顔つきを早くも見せだした。【中日担当=伊東大介】