「アラレちゃん」が、上昇ムードを運んできたのかもしれない。オリックス紅林弘太郎内野手(21)は、5月24日の楽天戦(ほっともっと神戸)で自身初のサヨナラ本塁打を放った。

1点を追う9回1死一塁、紅林の打席で流れた登場曲は「Dr.スランプ アラレちゃん」のテーマ曲「ワイワイワールド」だった。チームメートの宗佑磨内野手(27)が「今日は楽しみにしとけよ」と内緒でセレクトしたもの。陽気でかわいいリズムに乗って、サヨナラ2ランを放った。

劇的な試合が終わってからも、紅林は「ワイワイワールド」を登場曲に使い続けている。「なんか球場がすごい盛り上がっているので、すごい手拍子とか拍手をもらっているんで。あのままにしようかなって」。確かに手をたたきたくなるリズムで、自然と本拠地のファンは手拍子の大合唱となっている。「Dr.スランプ アラレちゃん」が最初に放送されたのは81年、紅林が生まれる20年以上も前。「僕はあの曲あんまり知らないですけど」となじみはなかったが、今ではファンと一体になるツールになった。

サヨナラ本塁打を放ってから、ここまでさらに2本塁打をマーク。2度の猛打賞、6月の打率は3割6分2厘と、好調が続いている。「プロに入ってからもちろん一番飛んだ打球でしたし、あんなヘッドが走った感覚というか。今まで僕、ヘッドが出てこないタイプだったんですけど、パンって体の前を走ったので。あの感覚というのは今までにない感覚だった」。初めて聞いた曲とともに、初めて味わった感覚。つかんだ自信を胸にここからもっと、キンキンキーンと快音を響かせる。【オリックス担当=磯綾乃】