甲子園の夜空に高々と飛球が上がり、ベンチからナインがフライング気味に飛び出そうとする中、二塁手の中野がしっかりキャッチ。あっという間にマウンド上に18年ぶりの歓喜の輪ができた。あのスタンド全体が揺れるような瞬間は忘れることはないだろう。
夏の全国高校野球選手権大会が終わり、長期ロードから戻った8月下旬、JR甲子園口駅前のすずらん商店街のフラッグはすべて「阪神タイガース 優勝」と書かれていた。何をそんな…。気が早すぎるだろうと思っていたが、9月1日にマジック18が再点灯すると11連勝で14日にあっという間にゴールテープを切った。現場記者も社内もドタバタで何とか歓喜の瞬間の準備が間に合った。
セ5球団に勝ち越す完全優勝。交流戦での負け越し3が惜しまれる。甲子園での3カードは4勝4敗1分けだったが、指名打者制度のパ本拠地3カードで3勝6敗だった。普段と違う指名打者制度で3つ負け越している。クライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜き日本シリーズへ行けば、今年はパ本拠地から始まるため第1、2戦、第6、7戦と4試合指名打者制で戦わなければいけない。
岡田彰布監督(65)は交流戦の負け越しについて「あの頃は負けたにしても、湯浅が1人でやられたとかな、岩崎がやられたとかな。そういうのはあまりダメージないよ」と敗因を挙げた。交流戦18試合のうち9回にリードしていた試合を湯浅が2度、岩崎が1度逆転された。「明確なことで負けてるから。別にチームが変なことをして負けたわけじゃないから」。年に何度かは抑えが打たれることもある。交流戦期間もしっかり「普通の野球」はできていたということだ。
85年以来2度目の日本一へ道はまだまだ続く。ちなみに85年の日本シリーズは全試合指名打者採用で、2番にベテラン弘田澄男が入り、猛虎打線がさらに強力になった。守り主体の23年岡田阪神はどのように指名打者を生かすのだろうか。
まずは10月18日から始まるCSファイナルステージ突破へ。この1カ月間でどう準備するのか、虎番全員力を合わせ取材を続けたい。【阪神担当 石橋隆雄】




