<オリックス1-0ソフトバンク>◇27日◇京セラドーム大阪
オリックスの本拠地・京セラドーム大阪のグッズ売り場をのぞいたら、試合前から大混雑だった。3年連続のリーグ制覇。V関連グッズに売り出しの選手商品も相まって、セール並みの人混みだった。ここぞの稼ぎ時の球団にとっては何ともうれしい悲鳴だろう。買い物かごを手にして、お目当てのグッズに手を伸ばす猛牛ファンの姿を見ながら「やはり優勝しないと」と痛感させられた。
2位死守に目標修正したソフトバンクはまたしてもVチームの力に屈した。ホークス打線は先発左腕の山崎福に8回まで5安打無得点。最後は守護神平野佳に3人で締められ完封リレー。9月2戦目のオリックス戦。23日の1戦目は1-6で敗れ、対戦成績を11勝11敗1分けの五分とされた。残り2試合。何とか連勝で対オリックスの今季勝ち越しを決めたかったところだが、白星を先行され、ホークスの勝ち越しはなくなった。
昨年の悔しさからオフの補強ではFAで近藤、外国人もアストゥディーヨを獲得した。ともにオリックスとの「争奪戦」を制しての補強戦略だった。同率首位に並ばれ、対戦成績で負け越していたため、昨年は屈辱のV逸。3年連続で優勝を逃したとはいえ、このカードの勝ち越しだけは決めてもらいたかったが、それも実現できずに終わる。さらに残り7試合全勝したとしても、今季の通算成績は74勝67敗2分けとなり、昨年を下回ることが決定してしまった。
「悔しさ」は終わった後に呼び起こせるものではない。屈辱的な数字を目の当たりにした瞬間に、感じるべきなのだ。V奪回もさることながら、今季のオリックス戦勝ち越しさえ、かなえられなかった。2位死守、CS突破と厳しい戦いは続く。完封負けに散ったこの瞬間こそ悔しさを募らせ、反発力に変えなければ修正目標すら手が届くことはないだろう。【佐竹英治】