白熱の打球音が響いた、とは言い過ぎか。ソフトバンクの宮崎キャンプで、紅白戦が始まった。FA移籍の山川が左中間への二塁打を含む2安打。一塁争いのライバルでもある中村晃も、二塁打を含む2安打で気を吐いた。柳田、栗原、今宮、井上のバットからも長打が飛び出し、実戦初戦から打線は活発だった。

小久保監督がキャンプ前に野手陣のレギュラーを確約していたのは、柳田と近藤の2人だけ。開幕への生き残りをかけた戦いは、日を追うごとに過熱する。100番台の背番号からの脱却を目指す育成3選手はさらに、猛アピールを誓う実戦初戦となった。

「あれが持ち味です。とにかく、頑張ります。ずっと2軍から練習してきたので。まあ、あれしかできないんですけどね」。紅組の1番左翼で先発した仲田は5回無死一、三塁で一、二塁間を割る右前適時打を放ち、右打ちの技術をアピール。3回にも中前打を放った。白組の9番左翼で出場した緒方も、6回に左前打。アウトにはなったが、すかさず二盗を試みた。白組の2番右翼で出場の川村は、1打席目には四球を選んだ。「緊張します。みんな打つので。明日は打ちます」と川村は誓った。

スタンドから見守った小久保監督の目にも、育成3選手の必死さは伝わっていた。「打線だったら仲田が一番目立っていましたよ。狙って一、二塁間へ打てましたしね。緒方にしても川村にしても紅白戦じゃないんでね。目の前のヒットが(生き残りに)直結するんでね。その姿は伝わっています」。B組は社会人野球のセガサミーと練習試合。新人の広瀬隆太内野手(22=慶大)が豪快弾を放ち、18日の紅白戦の招集が決まった。支配下登録へ、育成3選手のアピール合戦も激しさを増す。