1月からアマチュア野球担当となり、2月初旬に東洋大姫路(兵庫)の岡田龍生監督(62)を取材した。1987年(昭62)から22年4月に母校の指揮官に就任するまでの長年の間、履正社(大阪)を率いた名将に、同校OBで私が昨年まで担当した阪神坂本誠志郎捕手(30)の高校時代の思い出を尋ねた。

昨年のシーズン中、坂本に「リードの原点は?」と聞いたところ、当時の恩師から「(中学時代の)軟式野球と(リード)一緒にしとったらあかんぞ」と言われ、「そこで考えることに対してのきっかけをもらいましたね」と話していた。そのやりとりについて岡田監督は「あいつは言わなくてもできるタイプだったから、そんなん言ったかな」と笑顔で首をかしげた。

岡田監督は坂本の人間力と賢さに感心して「いろんなことを訓練したらよくなるやろな」と1年秋から正捕手に抜てきした。「学習能力が高かった。『1』言うても『5』できるとか、幅を広げていける」。さらに「高校生ながら人を見る力もあった」と投手の性格、タイプに応じて配球、リードを変える力をすでに備えていたそう。「高校生はなかなか難しいんですよ。投手5人おっても、みんな同じ配球をしてるとかね」。高校2年からは継投の判断も託していたという。

阪神の18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶり日本一に大きく貢献した教え子のプロ8年目での大活躍に、恩師は「やっと坂本の評価を得られる機会ができてよかった」と胸をなで下ろした。「坂本の良さは使ってもらわないとわからないですから。『かめばかむほど味が出てくる』みたいな。スルメイカやないですけど、そんなところがある」と魅力を例え、「坂本の結婚式でそんな話をしたような覚えがあります」と笑った。

今後もアマチュア野球担当として、高校、大学、社会人チームの取材を重ねつつ、プロで活躍する選手の「原点」を知ることにも注力していきたい。【アマチュア野球担当=古財稜明】

履正社時代の阪神坂本誠志郎(2011年3月撮影)
履正社時代の阪神坂本誠志郎(2011年3月撮影)
ブルペンで阪神才木浩人(手前)と話し込む坂本誠志郎(2024年2月10日撮影)
ブルペンで阪神才木浩人(手前)と話し込む坂本誠志郎(2024年2月10日撮影)