過去3度の本塁打王に、通算218本塁打の実績を持つスラッガーは格が違う。西武からFAで加入したソフトバンク山川穂高内野手(32)だ。キャンプ中を含めここまで実戦9試合で計3発を放つ。現状で打順はシーズンを見据えた“お試し期間”の位置づけも、山川に限ってはスタメン全試合「4番」に座る。自らも「1年間4番に座り続けられていたら成績はずっといいはずなので。すごく目指したいところ」と意欲を示している。
この1カ月間ちょっと、山川のすごみを肌で感じている。練習中のフリー打撃では面白いように柵越えを連発する。素人目から見ても、他の選手と打球の飛び方が違う。乾いたインパクト音とともに左翼スタンド上段、バックスクリーン、右翼スタンド上段へ軽々と運ぶ。山川は「(フリー打撃で本塁打を)連発できるっていうのが非常に大事になる。理想は全スイング本塁打を打つことですけど、それはできたことがないので。4連続、5連続、6連続というふうに練習で確立よく打てれば、試合でも2打席連続、3試合連続とか本塁打が出るかなと思います」と連弾を1つのポイントに挙げる。ただ、左投手が務めるフリー打撃では、徹底して流し打ちを貫く。「センターよりやや右に低い当たりを打つことを意識しています」と明かす。一見、ただ打っているように見える打撃練習も、選手によって考えは人それぞれなのだろう。
山川の打撃理論にもプロとしての高い意識を感じる。3月5日のヤクルトとのオープン戦で待望の本拠地1号を放った。中継局の表示で133メートルの特大弾。試合後、山川はいつも通り球場内の室内練習場で居残り練習を行った。その約30分後に、囲み取材に対応。報道陣に「居残り練習で意識したことは」を問われ「姿勢です。話すと長いですよ」。一瞬「姿勢?」と疑問符が浮かんだが、山川は丁寧に説明してくれた。「我々が(打席に)立っているのって地面の力をもらわないといけない。もらう時にかかとで立つのか、つま先気味で立つのか。これだけでも景色(見え方)は変わってくる。細かくなりますけどどこに立ったら自分の力が一番伝わるのかっていうのは常に確認しておかないといけない」と淡々と話した。一流打者の思考は興味深い。【ソフトバンク担当・佐藤究】




