父と伯父の背中を追いかけ3年間を駆け抜けた。日大藤沢(神奈川)の山本晃聖内野手(3年)は、山本秀明監督(50)を父に、元中日・山本昌氏(55)を伯父に持つ。晃聖は2人の母校を選んだ。「父の教えで野球がしたいなと思った。それまではあまり教わってこなかったので」。湘南ボーイズに所属した中学時代は控えで、身長162センチ、50キロ。小さな選手だった。

6日、慶応湘南藤沢戦で打席に入る日大藤沢・山本
6日、慶応湘南藤沢戦で打席に入る日大藤沢・山本

晃聖は体を大きくすることに力を入れた。仲間からトレーニング方法を聞いたり、弁当は2リットルの容器に米を敷き詰めた。お昼休みで食べ切れず、10分休みから食べ始めたこともあったが、食トレが実り、172センチ、71キロまで成長した。

家では親子。野球の話はしてこなかった。秀明監督は「グラウンドでは息子だと思ってやっていない。甲子園中止が決まった時も本人と話さなかった。他の生徒とは自粛期間で会えなかった。中止に対して息子だけに話すのはと」と徹底した。晃聖の急成長には「本人と母親が本当によくやったと思う」と目を細めた。

独自大会では全試合2番遊撃で出場。15打数8安打とチームをけん引した。晃聖は「大学でどれだけ成長できるか。プロを目指してやっていきます」。父から教わったことを胸に、伯父と同じ舞台を目指す。【湯本勝大】

日大藤沢・山本晃聖の感謝の手紙
日大藤沢・山本晃聖の感謝の手紙