シンプルに「いい選手」を選んだ。11人と想定した投手は抑えを誰にするかで迷ったが、田中将を入れた。気持ちが強く、メジャーリーグ、WBCなど国際大会の大舞台の経験も豊富。重圧がかかる最後のイニングを任せられる能力、資質がある。セットアッパーには三振が取れる山本を置き、この2人を軸に終盤を締める。

佐々木氏が選ぶ侍ジャパンのスタメン
佐々木氏が選ぶ侍ジャパンのスタメン

先発は菅野、涌井、森下、宮城、早川の5人とした。菅野、涌井は実績、経験が十分で計算できる投手。昨年、新人王を獲得した森下は今年も非常に安定している。高卒2年目で大きく飛躍する宮城、早川はルーキーだが、今の投球を見れば、驚きはないだろう。過度な負担を掛けないようになるべく、重圧が少ないところで起用する。

第2先発には、大野雄と高橋礼を選考する。ともにチームでは先発を務め、長いイニングが可能。大野雄は19年のプレミア12での経験がある。アンダースローの高橋礼は貴重な存在。過去の国際大会を振り返っても、同じタイプの渡辺俊(元ロッテ)や牧田(楽天)が活躍した。状況を見ながら平良、岩崎を準備し、後ろの2人につなぐ。

佐々木氏が選ぶ五輪代表
佐々木氏が選ぶ五輪代表

打線はオーソドックスに一流の打者を並べた。1番柳田から7番吉田正までは各チームの主軸打者。ベンチからすれば「何をしなくてもいい」と言えるタイトルホルダーばかりで、どこからでも得点を奪える。4番鈴木誠からは右、左の「ジグザグ」とし、村上、浅村、吉田正、甲斐、周東を置いた。

打線の流れを意識し、9番に周東を入れた。走者なしからでも周東から流れを作って、上位打線でかえすのも得点パターン。2番菊池涼とともに細かい野球も可能に。2番手捕手は梅野、右の山田哲、左の近藤がベンチで控え、ケガの回復具合が気になるが、内外野のユーティリティーとして、外崎がベンチで備える。

国際試合では守備力も非常に重要となる。センターラインには遊撃の坂本、二塁の菊池涼、中堅の柳田、捕手の甲斐と経験も能力もある野手をそろえた。浅村はチームでは二塁だが、西武時代に一塁でゴールデングラブ賞を受賞し、ハンドリングに定評がある。周東も内外野を守れ、さまざまなオプションが可能となる。(日刊スポーツ評論家)