今春卒業を迎える大学野球経験者の進路を紹介する「4年生たちが歩それぞれの道」第3回は、トヨタ自動車で野球継続予定の早大・尾瀬雄大外野手(4年)と、日立製作所で野球継続予定の日体大・関戸康介投手(4年)。

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トヨタ自動車でつけたい番号を問われ、尾瀬が希望したのは「99」だった。他チームを探しても、ほとんどつけている選手が見当たらない。自身も野球を始めてから今まで背負ったことはなかったが、その数字にこだわった。「『お前の野球人生はあと1本なんだ』と野球の神様から言われているような気がして」。常に現状に満足せず、あと1本を追い求めて野球人生を切り開こうとする決意の表れだった。

高いミート力と広角に打ち分ける打撃を武器に大学2年春からレギュラーに定着。同秋から4年春にかけて41試合連続出塁し、首位打者1回(3年春)、外野部門でベストナイン3回(2年春、3年春秋)を獲得。不動のリード・オフ・マンとして打線の切り込み隊長を担い、ヒットを量産する「早大の安打製造機」として他校から恐れられた。しかし東京6大学野球リーグ通算100安打にあと1本届かず、ドラフトでは5球団から調査書が届くも指名漏れを味わった。

下級生から順調に成績を残していたが、プロ入りに向けて最も大事な4年時に成績を落とした。リーグ通算最高打率(3割7分9厘=早大OB岡田彰布)と最多安打(131本=明大OB高山俊)を狙ってスタートしたが「ずっと頭の中にはドラフトがあって。いつもプレーする時にはプロのスカウトの方々に見られている感覚があって」と結果を求めるあまり、気がせいた。

「自分が大学4年間で残してきた成績にはすごい自信を持ってたので、(指名漏れは)最初は受け入れ難かったです」と正直に打ち明けた。「左打ちで外野手で背も小っちゃくてなんで、僕みたいな選手は結果を残すしかないと思ってやってきました。今となってはすんなりいかないのが自分の人生かなと。高校受験の時に入りたかった早実に落ちて、反骨真みたいなのが帝京での3年間と早稲田での4年間にあると思います」。

このまま終わるつもりは毛頭ない。「プロをずっと意識しながらやる野球は本当につらかった。もともと野球やってるのは、楽しいから。日々の練習や試合を楽しみながらプレーしながら(プロ入りを)追い求めたいです」。1本、1本を積み重ね、次は「トヨタの安打製造機」になる。【平山連】

◆尾瀬雄大(おせ・ゆうだい)2003年(平15)8月14日、東京都杉並区生まれ。帝京時代は学業もおろそかにせずオール5と文武両道を体現し、自己推薦で早大に合格。大学では1年春にリーグ戦デビューを果たすと、2年春からレギュラーに定着。リーグ戦通算81試合に出場し、99安打、26打点、打率3割2分8厘。172センチ、80キロ。右投げ左打ち。

キャッチボールを行う早大・尾瀬(撮影・平山連)
キャッチボールを行う早大・尾瀬(撮影・平山連)