芸人、野球系YouTuberとして活動する兵頭てつ兄(38)が、新たな挑戦を始めた。
今年9月から山梨・富士川町にある創部約1年の社会人野球クラブチーム「山梨バンディッツクラブ」のGMに就任。しかし、部員は4人しかおらず「そもそも野球ができない!」と“初仕事”として戦力拡充に奔走している。目標は「全日本クラブ選手権優勝」。184センチ、140キロの大きな体で兵頭GMが走り出した。
◇ ◇ ◇
サクセスストーリーの道筋は見えている。兵頭は「本当に若い子たちを集めて、社会人野球の面白さを伝えたい」と力を込め、「本気でやっていきたいと思っています。クラブ選手権優勝はもちろん、このチームからプロを輩出したい。都市対抗で補強されるような選手だったり、企業チームに1回でも勝てるチームをつくりたい」と掲げた。
GM職は元ヤクルトの角富士夫氏(70)から引き継ぐ形だが、チームは兵頭の就任を機に事実上の本格始動。公式サイトの更新作業なども今後進めていく。9月に自身のYouTubeチャンネルで就任を明かした際は「【重大発表】現役野球選手は必ず見てください」とタイトルをつけ「選手を大募集します!!」と熱烈に呼びかけた。クラブチームだが、一部道具支給のほか、就職先も用意。練習拠点は山梨の甲府盆地の南西に位置する南巨摩郡富士川町にある殿原スポーツ公園野球場。来年には近隣に室内練習場などを建設する構想もある。
兵頭は元球児の視点も踏まえながら、現在の練習拠点について「サブグラウンドもあって、屋根付きブルペンが4カ所。いわゆる鳥かごと呼ばれるティーバッティング練習場も4カ所あります。これはなかなか良いと思います」と力を込める。クラブチームながら就職先もあり、企業チームに近いような形で活動可能。仕事は介護施設での夜勤で、月10日の勤務で約30万円の給料を支給。残り20日は野球に専念できる。「プロの3軍とも試合を組む予定なので、プロにもアピールできます」。
9月の呼びかけ以降、応募先としている自身のインスタグラムのDMには100件以上の問い合わせがあった。元プロ2人を含む3人の新加入選手も決まり「部員は7人になりました。まだまだ募集中です!」。陣容を整え、来春の都市対抗野球山梨大会出場を目指す。
チーム作りへのこだわりもある。「社会人野球と聞くと『うまい人しか入れないのでは』という壁があると思います。ただ、社会人野球の根本は野球と仕事の両立。うまい、下手ではなくて仕事と野球の両立で頑張れる人がほしいんです」。日々の活動も全体練習は最低限に抑えるといい「それぞれやりたいこともあると思うので、課題に合わせた個人練習重視でいこうと思っています。やりたい練習にとことん打ち込めます」と呼びかけた。
チームの運営会社の社員と知り合いだった縁からつながった大役。自身も社会人まで野球に打ち込み、競技を離れて営業マンや芸人を経ても野球への愛を持って活動を続けてきた。SNS運用なども得意で「革命を起こしたいんですよ。社会人クラブでSNSも率先して更新して、多くの再生数やフォロワーを抱えているチームもないと思うので。ここまでやれるということを見せたい。山梨を代表する社会人チームにしたいです。選手のみなさん、迷ったらまずはDMください!」。挑戦の序章が始まった。【松尾幸之介】
◆兵頭てつ兄(ひょうどう・てつにい)1988年(昭63)8月15日生まれ、愛媛県出身。松山商では左腕投手として硬式野球に励むも途中で軟式に転向。最速147キロ、スライダー、カーブ、スクリューなどを投げる本格派として全国ベスト4。社会人野球で硬式に復帰し、造船会社のツネイシで約3年プレー。一時はヤクルトや、大リーグのメッツなどのスカウトからも注目される存在だったが、肩ひじのけがで引退。その後はキリンビールで営業職を経験し、29歳で芸人へ転向。KONAMIとコラボレーションした野球チーム、パワフルスピリッツなどでもプレー。24年にはプロ草野球チーム「べーチャン」の監督として史上初の創部1年目で草野球日本一に輝く。SNSコンサルとして、YouTubeではテレビ朝日の公式スポーツチャンネルやタレント山内鈴蘭、元ラグビー日本代表、中島イシレリ氏らのチャンネルで企画やMC、カメラマン、編集などを担い、手がけたSNSの総再生数が昨年は約1億5000万回。「ベーチャン」では1年でチャンネル登録者数を4万人増やし、大台の10万人を達成。




