世の中はゴールデンウィークのまっただ中。休みが取れた4月30日、5月1日の2日間を利用して「プチ高校野球旅」に出かけた。

 【4月30日】

 春季埼玉大会を見に県営大宮公園球場に向かった。昨年夏は久々に新聞記者に戻って埼玉大会を取材。都内の自宅からの移動も慣れたもの。恵比寿からJR湘南新宿ラインに乗り換えて大宮へ向かった。

 電車を降りると大宮駅ナカにある書店へ向かった。実は昨年夏の甲子園を制した花咲徳栄の岩井隆監督が本を書いた。タイトルは「道を教え、『自立』へ導く 花咲徳栄の人間育成術」。近所の書店では手に入らなかったが、地元埼玉なら置いてあるかもしれないとスポーツコーナーをのぞいたら、ありました。さっそく購入。球場へ向かった。

岩井監督の著書
岩井監督の著書

 第1試合は花咲徳栄-山村国際。岩井監督の著書を読みながら試合を見た。16安打を放ち12-0の5回コールド勝ち。本を読み終える前に試合は終わってしまった。

 試合後、岩井監督を取材。「いつの間に書いたんですか?」と本のことを聞くと「ハハハ、私はしゃべっただけだから」と照れくさそうに笑った。昨夏、岩井監督を取材したが本のタイトルにもある「自立」という言葉を何度も聞いた。後で全部読み終えたが、書いてあることの根本は埼玉大会、甲子園大会を通して取材でうかがったことと大きな違いはない。「岩井監督はブレない指導者」。本を読んであらためて感じたのはそこだった。

 第2試合は市立川越-浦和学院。この試合は市立川越の大ファンである知人のAさんと一緒にスタンドで見た。Aさんは市立ではなく県立の方の出身なのに、なぜか市立川越が大好き。野球だけではなくバスケ、バレーなど何でも追いかける。卒業したOBが大学でプレーしていると聞くとそれも追いかける。残念ながら試合は浦和学院の前に敗れてしまったが、大宮駅前の「力(りき)」という居酒屋さんで反省会。2人で焼酎のボトルを2本も開けてフラフラの状態で帰宅した。

 【5月1日】

 二日酔いもなんの、午前7時には起床して茨城は土浦へ。第1試合開始はなんと午前8時50分。間に合うわけもない。東横線-日比谷線-常磐線を乗り継いで土浦に到着したのは午前9時半。土浦駅から10分ほどで球場へ。土浦市営球場は「J:COMスタジアム土浦」と名前を変え新しい球場として生まれ変わっていた。

 今回の茨城遠征の目的の1つが、この新装なった球場を見たかったこと。立派な内野スタンドにナイター照明。電光掲示板のスコアボードも見やすい。素晴らしい球場に変身していた。変わらないのは霞ケ浦から吹く気持ちよい「海風」か。第1試合はセンバツに出場した明秀日立がコールド勝ち。第2試合は藤代が勝利。第3試合は日立一-石岡一。もう1つの目的を果たすため、30分ほど見て帰ろうかと思っていたが、石岡一の岩本大地投手(2年)の投球を見て席が立てなくなってしまった。

 速い! 1回、スコアボードに145キロが表示されるとスタンドからどよめきが起こった。スピードはさらに上がり146キロ。大柄ではないががっちりとした体から放たれるボールは威力十分。ただ制球と変化球に課題があるのか、5回途中4失点で降板した。それでもまだ2年生。これからの成長が非常に楽しみ。思わぬ収穫だった。

 満足して球場を後にすると最後のミッションへと取りかかった。実は土浦へ遠征した一番の目的が名物「レンコンどらやき」を買って帰ることだった。茨城県はレンコンの大産地。以前、テレビ番組で土浦市の特集があり、霞ケ浦や常総学院などとともにこのどらやきが紹介された。当時、土浦市には知人が住んでおり、すぐに連絡すると、この「レンコンどらやき」を送ってくれたのだ。食べてみたところ「ナイス!」。味にはうるさい家族も「これはおいしい!」と絶賛した。

 薄くスライスしたレンコンと、あんこではなく生クリームが入っている。しゃきしゃきしたレンコンと生クリームのコラボが絶妙なのだ。

 どこで買えるのか。ネットで調べたところ駅前にある土浦市役所の地下に「お菓子の久月」がお店を出しており、ここで買うことができるという。駅と直結している市役所に入り地下に降りるとすぐにお店があった。1個180円(税別)。6個買って、おばちゃんに保冷剤を入れてもらい大事に抱えて帰宅。無事、ミッションを果たし2日間の高校野球旅が終わった。

レンコンどらやき
レンコンどらやき