谷本修球団副社長兼球団本部長(2019年1月24日撮影)
谷本修球団副社長兼球団本部長(2019年1月24日撮影)

「働き方改革」。いろいろなところで目にし、耳にするこの言葉。今季は阪神がこれを導入すると言ったら驚くだろうか。別に「延長戦になったらボクは帰ります」とか「3試合に1度は休みます」とか、そういうことではない。それはそれで面白いかもしれないが。

球団側の話だ。3月から「月曜定休」にするという。現場、つまりペナントレースを戦う首脳陣、選手、チーム関係者は試合のない月曜が休みだ。もちろん遠征先からの行き来に当たる「移動日休み」になることも多いのだが。シーズン中のナインはほとんど休みがないが、それでも数少ない休日が月曜(もちろん試合のない平日)だ。

一方、いわゆるフロント側、営業、事務方の球団職員は一般のサラリーマンのように週末が休みだった。今回、これを「月曜休み」にしよう、と決めたという。ちなみに阪神球団の職員も週休2日制なので、あとの1日はフレックス的にどこかで休みましょう…ということのようだ。

「月曜休み」。どういうことなのか。球団副社長兼球団本部長の谷本修に聞いた。

「これまで週末が休みになっているといっても甲子園で試合をやっていれば例えば営業の人は出勤してきていました。そして月曜も、当然、仕事になる。それはどうかな、と。現場と同じ月曜を休みにして、メリハリをつけようというのが一番ですね」

シーズンを戦う現場への一本化という考え方もできる。もちろん野手が休んでいても先発投手の一部は月曜に練習するので、みんなが休んでいるわけではない。我々、新聞社などもそうだが業務の形態により、みんなが同じタイミングで休むことはなかなか難しいこともある。

それでもこういう試みで少しでも職員の負担を減らし、またチーム一丸になる助けにしようということになれば意味はあるかもしれない。

「超変革」は過去のキャッチフレーズになったけれど、現状をいい方向に変えていこうという試みは当然、続けられるべきだ。今回の宜野座キャンプ、メニュー表には昨季まで指揮を執った金本知憲が指導していたキャンプ同様にウエートトレーニングの項がある。

「いいものは黙っていても続けていくでしょう。選手がみんな良い方に変化したことを実感しているんだから」。そう話すのはトレーニングコーチの伊藤敦規だ。いいものは続け、変えるべきは変える。それが当たり前なのはどこの世界でも同じだろう。(敬称略)