1月25日付の日刊スポーツの1面。「レギュラー白紙よ」の大見出しだった。今シーズン、投手を除く8つのポジションで、レギュラーが決定しているのが大山(一塁)、中野(二塁)、近本(センター)の3人だけ。残るポジションはレギュラー白紙と監督の岡田彰布が明かしたというものだった。

あと1週間後に迫った春のキャンプ。ここで選手間競争をあおり、さらなるレベルアップを…という狙いの1カ月。そこで、誰も聞かないことを、岡田に尋ねた。みんなはすでに分かっているのだろう。改めて聞く必要はないのだろうが、そういうことを確認したくなる性分。岡田の前に座り「4番は決めている?」。

少し前の報道で「4番? そんなん決めてないわ」という岡田の発言があったようだ。それもあっての確認取材。岡田は間髪入れず「おーん、そら大山と。大山でもちろんいくよ」と明言した。誰も書かないから、あえて書く。今季の4番は「大山一択」。それを岡田が初めて明かしたのだ。

4番論に関しては、これまで多くを語ってきた岡田。まず今季も大山で、となる根拠を聞いてみた。「去年な、全試合4番で出て、形というかな、それが身についた。それをどう表現するのか。おーん、風格といってエエんとちゃうか」と口にしている。

4番の風格…。これが4番を打つものにとって重要な要素だと岡田は考えている。いまの球界、この風格を備えているバッターは、と問うてみた。そこで2人の4番打者の名が挙がった。「そら岡本(巨人)と村上(ヤクルト)や。打席でのどっしり感がいいし、なんともいえん独特の空気を醸している。これなんよね。4番を打つ者独特のムードなんやな」。岡田はさらに打席の中での姿も気になっていた。「立ち姿というね。これが2人とも、ホンマにエエんよな」。

その域に大山も入ってきたのか。岡田は認めた。143試合、続けて4番を打ったことで、大山の立ち姿が抜群によくなったと岡田は認めている。風格が出て、4番を任せられる空気が大山に漂っている。だから早々と「4番大山」も明言になったのだ。

スポーツ紙では、4番を争うのが佐藤輝という見方もあった。岡田の頭の隅に、佐藤輝の名がチラリとあったけど、それは今後の伸びしろ次第となった。「佐藤輝なあ。これから先、どこまで伸びていくか。そこが楽しみではあるんやけど」と、佐藤輝の4番は今年はなく、今後の彼の伸び次第という結論に落ち着いた。

自らも経験したトラの4番。その重圧や責任は相当で、岡田自身、これをクリアした歴代の4番は「カケさん(掛布)と金本かな」とした。特に金本は岡田自身、4番に決めた経緯がある。FAで阪神にきた当初は星野仙一が3番を打たせた。それを2004年から4番に決めたのが岡田だった。「とにかく休まないんやからな。これほど監督を安心させてくれる4番はいないよな。先発メンバー表の最初、4番から名前を書くことができたもんね」。そして金本も風格、重みのあるトラの4番になった。

果たして大山が掛布や金本のような風格ある4番になっていくのか。2024年シーズンも早々と4番に指名された大山。もちろん誰も文句はない。【内匠宏幸】(敬称略)