ロッテの2024年のドラフト2位・社会人野球出身の宮崎竜成内野手(25=ヤマハ)のバッティングに注目した。

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ファームの試合を見ていて大切に思うことは、いまさらの話になるが、安打が出た結果は大きな評価基準だが、やはりその内容がとても重要だということだ。季節は盛夏を過ぎた。ここから先は来季を見据えた新戦力の発掘も球団には大切なテーマになる。そうした観点から、ロッテ宮崎のバッティングには何かを感じさせるものがあった。

23日の試合では3安打している。左翼への犠飛、右翼へのソロホームラン、中越え三塁打、そして右前安打だった。いずれも内容がある打席だったが、私は特に第2打席のホームランについて考えさせられた。

右投手の初球フォークを空振り、2球目、3球目はいずれも外角へのカーブが外れてカウント2-1。バッティングカウントで、4球目は真ん中から内角よりの低めのスライダーを、リストの強さを感じさせるスイングで右翼スタンドに運んだ。

内角よりの低めスライダーを確実にフェアゾーンに運んだ内容が良かった。あのコースのスライダーならば、左打者の多くはポイントが前に来てファウルになってしまう。1軍の主力クラスならミスショットはないだろうが、ファームであれば打ってもファウルで、相手バッテリーからすればカウントが取れる可能性の高いボールだった。

それを宮崎はしっかり引きつけてスイングしている。つまり、タイミングが取れているということだ。タイミングを合わせ、ミスショットなくミートしているところに内容を感じた。タイミングを合わせる背景は、ひと言で片付けてしまえばセンスとなるが、宮崎のフォームから感じるのは柔らかさだった。

しなやかさと映った。そう感じさせるのは、軸がぶれずに柔軟に対応できる、ということだ。そして、バットのヘッドが最後にしなって出てくるよう。しなっているように見えるのは、内側からバットが出てくるからで、こうしたところはさすが社会人野球を経てプロに入ってきただけのものを感じさせてくれた。

すぐにでも1軍で即戦力と、本人も思い描いていただろうが、それでもファームで2割7分前後の打率を残していることは評価できる。第1打席は犠飛が必要な場面で、左翼へきっちりフライを打ち上げている。こういうところも、捕手目線から言わせてもらえれば、対応力の高さが頭に残る。状況に応じたスイングができるということで、第3打席の中越え三塁打、第4打席の右前安打を含めると、広角に打てる技術を備えている。

この日の打撃内容がたまたま良かった可能性は否定できないが、中身を吟味して言わせてもらえば、バッティングに限れば、1軍で試したくなるものを持っている。既に1年目に39試合(110打席)、そして今年もここまで34試合(29打席)と一定のチャンスは与えられている。昨年は打率1割9分4厘、今年は1割4分3厘と結果を残せなかったが、このファームでの打撃内容を見る限り、まだチャンスはあるだろう。

ファームと1軍では投手のクオリティーに雲泥の差があるが、宮崎の打撃の技量を冷静に見れば、1軍で結果を残せる可能性はある程度期待できる。では、現状に不安な部分はないかと言えば、守備の面で気になる部分があった。

左打者のやや詰まった打球に対し、三塁を守っていた宮崎の反応はわずかに遅れた。さらに正面の当たりを捕り損ね、慌てたのだろう。間に合わないタイミングで一塁への送球は大きく一、二塁間方向へそれた。一塁手が飛び込んで抑えるほどの悪送球になった。

今季、宮崎は1軍で一塁手として1試合、二塁手として9試合、三塁手として21試合、そして遊撃手としても5試合出場している。わずか1試合の、それも1度の守備機会だけで多くは語れないが、あの打撃があるのだから、チャンスはあるだろう。そのためにも、チーム事情によってどこのポジションで出場機会が与えられるか読めない中でも、堅実な守備は徹底して、チャンスに備えてほしい。

社会人野球を経験し、プロも1軍で100打席以上を経て、バッティング技術は成長しているのだろう。この広角に打てて、長打も期待できるバッティングをさらにレベルアップしながら、シーズン後半の1軍昇格を目指してほしい。(日刊スポーツ評論家)