5日に行われた東京6大学リーグの立大-慶大1回戦。慶大は2-3で惜敗したが、2番手で登板した背番号「20」がスタンドを沸かせた。2点ビハインドの3回、リーグ戦初登板の初球に151キロをマーク。2球目も150キロを計測すると、驚きの声は歓声に変わった。投じた21球で、木沢尚文投手(2年=慶応)の名は確実に刻まれた。
先頭の松崎健造外野手(4年=横浜)には追い込んで、136キロのカットボールで空を切らせた。次打者の飯迫恵士内野手(4年=神戸国際大付)の初球にも151キロをマーク。2四球と江藤勇治内野手(3年=東海大菅生)の適時打で失点し、2/3回を1失点の内容だったが、身長182センチからの威力十分な直球は強烈なインパクトを放った。
今春の東京6大学リーグは高校時代から、世代のトップを走り続けるルーキーが華々しくデビューを飾る。立大・川端健斗投手(秀岳館)はリーグ戦初登板初勝利。明大・磯村峻平投手(中京大中京)、早大・徳山壮磨投手(大阪桐蔭)も初勝利を挙げ、昨夏のU18高校日本代表の実力を大学球界でも示す。
3投手のように、名のあるルーキーの活躍も楽しみだが、その一方で大学入学後、苦しみながら、はい上がった選手の活躍にも心を奪われる。リーグ戦初登板でインパクトを残した木沢は、高校3年春に右肘痛を発症。大学入学後はリハビリを重ね、神宮のマウンドに上がった。
昨年は東都リーグの国学院大・小又圭甫投手(現NTT東日本)が、印象的だった。大学2年の5月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、約2年後の大学4年でリーグ戦初登板(専大戦)。3回無失点で、自己最速の151キロを計測した。「このマウンドで投げるために、やってきたので」とかみしめ、成果をマウンドで表現した。
各リーグ戦では優勝争いが佳境に入った。頂点を巡る勝負からももちろん目は離せないが、苦境の中で地道に努力を重ね、夢をかなえた選手の姿も観衆の胸を熱くさせる。【久保賢吾】





