野球の神様が2人の投げ合いを見たかったのかもしれない。10日の高校野球京都大会。京都成章-洛星の一戦は、幼なじみの2人の投げ合いとなった。

 洛星のエース水江日々生(ひびき)投手(3年)は、昨年覇者・京都成章に8回7安打4失点と粘った。「ここで北村と対戦できたのも何かの縁。いい球を投げていた」。友で、相手エースの北村和也投手(3年)を素直にたたえた。

 2人は地元の少年野球クラブで、水江がエースで北村が内野手。その後、水江は洛星中、北村は詳徳中で軟式野球部に所属。京都府大会では2年秋に洛星が勝ったが、3年夏には北村が立ちはだかった。洛星中はノーヒットノーランを許し、水江は中学最後の試合を終えていた。

 高校ではこの日が公式戦3度目の対戦。9日の開会式では「楽しんでやろうな」と話していた。それでも心の中で、水江は「北村にも、京都成章にも負けたくない」と思った。ただ、4回1死一、三塁の先制機では水江は空振り三振に倒れた。2安打15奪三振の完封劇で、またしても北村に敗れた。

 最後の夏が終わり、水江はグラブを置く。参考書と向き合う日々が始まる。京大進学が目標だ。2人の対決に続編はあるのか。「野球の練習よりはるかに楽なんで!」。少しさみしそうだったが、最後は笑った。【中野椋】


洛星・水江日々生
洛星・水江日々生
京都成章・北村和也
京都成章・北村和也