昨夏の悔いを晴らすかのような、完全勝利だった。26日に行われた高校野球京都大会で、龍谷大平安が立命館宇治に11-0で勝利し、4年ぶり34度目の夏切符をつかんだ。
先発したのは3年生の小寺智也投手。昨年の決勝では、2番手で登板したものの打ち込まれ、3回までに11点差をつけられた。「今まで一切見ませんでしたが、悔しかった気持ちを思い出そうと」と今大会前、初めて敗れた決勝の映像を見た。「去年の負けを意味のある負けにしないといけないと思った」。そんな思いで上がったマウンドで、4安打完封勝利。1年で頼もしく成長した姿を見せた。
原田監督にも昨夏の決勝に、悔いがあった。「最後は3年生と思っていた。前夜には2年生に放らせないと思っていた」。最後の夏は3年生にかけようと、原田監督は決めていた。しかし当日先発したのは、当時2年生の島田直哉投手だった。「最後にぶれた」と悔やむ。幾度と優勝を味わい、経験があるからこそ迷いが生じた。試合後、原田監督は「俺の計画はこうやった。申し訳ない」と選手たちに謝った。3日間、眠ることはできなかった。
約1年後のこの夏に勝利に導いたのは、昨夏の悔しさを知る3年生の小寺だった。「やっぱりうちのエースですよ。しっかり締めてくれました」と原田監督はほほえんだ。
ユニホームの背中に付けられた背番号。京都大会で使われるものは、甲子園で使われるものより少し小さいという。「歴代、甲子園で投げてる1番というのははかっこいいですよ。すごいかっこいいですよ。やっぱりユニホームが似合う、立ち姿がすばらしい」。大きな背中に大きな背番号を付けたエースが、今度は甲子園のマウンドで腕を振る。【磯綾乃】





