第104回全国高校野球選手権大会(6日開幕=甲子園)に福岡代表で登場する九州国際大付。2年生で体重104キロの巨漢スラッガー、佐倉侠史朗内野手は、今春センバツよりも格段にパワーアップした。まずは、打球の飛距離がケタ違いだ。

4月の春季九州大会の初戦だった。サンマリンスタジアム宮崎の右翼席中段に軽々と運んだ。推定は120メートル以上だったか。この時から従来の重心を低く構えるフォームから「高くしました。今はしっくりきています」と、打撃フォームを改造していた。

今夏の福岡大会では3本塁打。1本目は120メートル弾、2本目は看板直撃の120メートル超弾、3本目は弾丸ライナー。九州大会で放ったアーチから共通していたのは、全てが確信弾だったこと。ドヤ顔で歩き出す佐倉の姿しか記憶がない。自身も「歩いてしまいました」と、見とれるほどだ。

豪快なパワーが売りなのは間違いない。九州でも屈指のスラッガーだ。さらにコンパクトなスイングもできるから、なおすごい。群雄割拠の福岡大会では打率5割、3本塁打、17打点でチーム3冠だった。

おっとりした性格で、チームメートからも愛される。試合後のお弁当は、おかずをじっくりと確認して、残さずに食す。高校生らしい一面はたくさんあるが、その打棒にプロのスカウトも注目する。聖地での1発が楽しみだ。【只松憲】