先日、高校野球地方大会で、親としてスタンド応援する機会に恵まれた。タイブレークにもつれ込む緊迫の試合展開。ブラスバンドに合わせて「かっとばせ」なんて本気で叫んだのは高校生の時以来か。気力が充電された思いだった。

雲ひとつない、気温35度近い炎天下だった。応援席に屋根などない。しかも応援用の帽子を忘れる大失態。頭にタオルをかぶって約3時間を何とかしのいだ。5回終了後のクーリングタイムに助けられた。たかだか「10分」と思っていたが、球場外の木陰でうちわをあおいだだけで劇的に体が楽になったことに驚いた。

グラウンド整備時間を拡大した10分間のクーリングタイムは、今夏の甲子園から導入されることが決定。先立って各地方大会でも導入されている。選手を守るための新ルールだが、スタンドにとっても非常に有効であると肌で感じた。

戦略的な影響も少なからずあるという声を聞いた。もともと野球には5回終了後の整備時間を境に前半、後半と分ける考えがある。投手交代を考えるタイミングになるし、流れがリセットされるような感覚になるため「整備後だぞ!」と選手が叫ぶさまもよく見る。作戦面のミーティングを行うことも当たり前だ。今回から「10分」と規定されたことで、より使い方の重要度は増すだろう。

スピードアップばかりが進む風潮の中で、取り入れられたクーリングタイム。時間をかけることのメリットもたくさんある。【アマ野球担当=柏原誠】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)