9月3日は「ホームラン記念日」だ。77年9月3日、巨人王貞治が世界記録となる通算756本目の本塁打をヤクルト戦で放ち、それまで大リーグのハンク・アーロンが持っていた記録を抜いたことを記念して制定された。

虎党にすれば、それを前祝いするようなサンズの1発だったかもしれない。ラッキーセブンに飛び出した一時は同点とする2ラン。これで3試合連続本塁打と絶好調だ。勝負強さも抜群で、まさに頼りになる助っ人なのだが、結局、試合には勝てなかった。

ヤクルト相手に延長にもつれ込む接戦となった。相手は最下位とはいえ、両軍の実力にそれほどの差はないように思える。当たり前だが常に勝てるはずはない。それでも「痛いな」と思うのは阪神の弱点が出たからだ。

3回、2失点目のきっかけは木浪聖也の失策だった。坂口智隆の放ったバウンドの難しい遊撃前のゴロをはじき、一塁へ生かしてしまった。その後、ガルシアが連打を浴びて失点に結びついた。

今季は完全に遊撃のレギュラーとなった木浪、それに従って守備力もレベルアップしてきた。どんな名手でも失策はついて回るものだが、結果的に言えば、ここでの失点がこたえたかもしれない。リーグ・ワーストを更新するチーム45個目の失策だった。

「天候とかグラウンドの状況とか、いろいろ言い訳したいこともあるだろうがアウトにできるものはしっかりとアウトにする。それしかないんですよ」

以前に聞いた内野守備・走塁コーチの久慈照嘉が話した言葉だ。現役時代は名手として鳴らした男だけに守備の乱れに責任を感じている様子で話したものだ。

光明が差してきた部分もある。ファームから上がってきた小幡竜平のプレーがいい。4回に見せたダイビング・キャッチなど二塁の守備で光った。本来は遊撃手というが三塁も含め、守備はなかなかのレベルだ。「守備の要」の二遊間だけに、キッチリと守れる人間が1人でも増えるのは大歓迎である。

「本塁打は野球の華」だが、それで勝負が決まるのは投手を含めた守備面でしっかりした試合運びがあってのことだ。締まったゲームの末、一撃で勝利をもぎ取る。そういう試合を見たい。巨人が勝ってゲーム差は7・5に開いたが、ガックリしているヒマはない。締まった試合でG倒を見せろ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)