わずか2試合だが多くの虎党は「来たんちゃうか」とドキドキしているのではないか。2桁借金に苦しむDeNAに連敗。6連勝と乗ってきた2位巨人に迫られてきた。3・5ゲーム差はまだ大きいが負け方がよくないので追い込まれてきた感じを受ける。これで甲子園では交流戦最初のロッテ戦から数え、5カード連続の負け越しとなった。

優勝から遠ざかっている阪神、首位を走っていてもシーズンのどこかで苦しくなるのは最初から覚悟していることだ。それが今なのか。重い。元気がない。ハツラツさを感じない。理由はハッキリしている。打線がつながらないからだ。好調時はこれでもかと打っていた両外国人、大山悠輔、怪物ルーキー佐藤輝明になかなか快音が出ない。

とはいえ、当然だが、いつも打てるわけではない。ここは我慢のしどころだろう。そう言いつつ、少しだけ気になるのは、チーム方針のはずだった「競争原理」についてだ。

首位を走る今季、すっかりオーダーが固定されてきた。うれしい誤算と言うのもおかしいが最大の驚きはルーキー中野拓夢が遊撃のポジションを奪ったことだろう。これで正捕手・梅野隆太郎はもちろん、内外野とも、レギュラーは不動の状態となっている。

もちろん強いチームはこうなるのが普通だ。顔ぶれがコロコロ変わって勝つチームというのはあまり記憶がない。しかし指揮官・矢野燿大の特徴は、その中にあっても例えば二塁、遊撃なので、時折、メンバーを代えて刺激を与えてきたことではなかったか。

その結果としてだろうか、現状、控え選手は代走要員が多くなっている。植田海、熊谷敬宥、そこに江越大賀まで加わっている。レギュラーで戦って、最後を走力でという戦法だろう。明確なのはいいが主力が不振になると、いわゆる代打要員が薄いので攻め込む気配は出にくい。

例えば小幡竜平のスタメン起用などでチームに再び競争原理の緊張感をもたらすのも悪くないのではと思ったりするが、いずれにしても、もっと元気を出していってほしい。

「我慢のときかなと思います。(打線は)何も変えようとは思っていない」。虎番記者の取材に矢野はそう応じたという。カツを入れるやり方はいろいろあるだろう。3年目・矢野はこの“窮地”をどう脱するのか。踏ん張りどころだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)